膝の痛み
膝には、歩いている時で体重の約2~3倍、階段の昇り降りで体重の約4倍の力が加わります。
そのため膝にもガタが出てきます。
原因として最も多く、中高年以上で膝が痛む場合、「変形性膝関節症」がまず疑われます。
どんな症状があるの?
変形性膝関節症
特に女性に多く見られ、高齢者になるほど罹患率は高くなります。主な症状は膝の痛みと水がたまることです。
初期症状では立ち上がり、歩きはじめなど動作の開始時のみに痛み、休めば痛みがとれますが、正座や階段の昇降が困難となり(中期)、末期になると、安静時にも痛みがとれず、変形が目立ち、膝がピンと伸びず歩行が困難になります。
半月(板)損傷
半月は膝関節の大腿骨と脛骨の間にあるC型をした軟骨様の板で内側・外側にそれぞれがあり、クッションなどの役割をはたしています。これが損傷すると、膝の曲げ伸ばしの際に痛みやひっかかりを感じたりします。ひどい場合には、膝に水がたまったり、急に膝が動かなくなる状態になり、歩けなくなるほど痛くなります。
膝靭帯損傷
急性期(受傷後3週間くらい)には膝の痛みと可動域制限がみられます。しばらくして腫れが目立ってくることもあります。急性期を過ぎると痛み、腫れ、可動域制限はいずれも軽快してきます。下り坂やひねり動作の際にはっきりすることが多いです。
膝離断性骨軟骨炎
運動後の不快感や鈍痛の他は特異的な症状は出ません。関節軟骨の表面に亀裂や変性が生じると疼痛も強くなり、スポーツなどで支障をきたします。骨軟骨片が離れると引っかかり感やズレ感を訴えます。大きな骨軟骨片が離れると膝の中でゴリッと音がする場合があります。
痛風
20代以上の男性に多くみられ、間接に尿酸がたまって結晶化し炎症を引き起こして腫れや痛みを生じる病気です。風が患部に吹き付けるだけで激しい痛みが走ることから痛風と名付けられたと言われています。プリン体が多く含まれる肉などの食品や、ビールなどアルコール飲料の摂り過ぎが、よく知られた発症要因の一つです。
膝蓋骨脱臼
初回の脱臼は10歳代の女性が生じることが多く、その後20~50%の方が繰り返し脱臼をきたすことがあります。ジャンプの着地などで、膝を伸ばす太ももの筋肉(大腿四頭筋)が強く収縮したときに起こります。膝蓋骨は大腿骨に対して外側に脱臼することがほとんどで、自然に整復されることも少なくありません。
腓骨神経麻痺
最も多いのは、腓骨頭部(膝外側)の外部からの圧迫により生じるものです。下肢の牽引などで仰向けに寝た姿勢が続いたり、ギプス固定をしているときに、腓骨頭部が後ろから圧迫されると起こります。
O脚・X脚
O脚とは、両膝が外側に彎曲した状態で、左右の内くるぶし(足関節内果部)をそろえても、左右の膝の内側(大腿骨内果部)が接しないものです。X脚とは、両膝が内側に彎曲した状態で、左右の膝の内側(大腿骨内果部)をそろえても、左右の内くるぶし(足関節内果部)が接しないものをいいます。
膝関節捻挫
怪我をした関節の腫れ、痛みが見られます。これら症状は一般には損傷の程度と一致しますが、痛みを感じにくい靭帯もあるため、余り痛くないから大丈夫と考えてはいけません。また、かなり高度の靱帯損傷があっても、ほとんどの場合、1~2か月以内に日常生活に支障がないレベルには回復します。